OpenAIのLLMモデルの変遷をざっくり振り返る [2025/02時点]

OpenAI

近年、生成AIの進化が加速し、各社が競い合うように新しい大規模言語モデル(LLM)を発表しています。
私はChatGPTのGPT-4のモデルが出てから、Plusプランに加入し、チャットで質問をするレベルで活用してきました。

しかし、2024年頃から特に多くのモデルが登場し、私自身もそのキャッチアップができていませんでした。
そこでこれまでどういったものが登場したのかと、その比較を行いながら、現状どうなっているかを簡単に整理していきたいと思います。

なお、ChatGPTのモデルをここでは取り上げ、画像生成のDALL·Eや文字起こしのWhisperは取り上げません。

1. ChatGPTの各モデル

カッコ内がリリース年月で、リリースされた順番で紹介していきます。

1-1. GPT-3(2020年6月)

GPT-3は1,750億のパラメータを持ち、言語モデルの飛躍的進化を象徴する存在であり、自然言語処理の分野で大きな注目を集めました。
その登場により、AIによるテキスト生成や翻訳、質問応答など、多様なタスクへの応用が可能となりました。

1-2. GPT-3.5(2022年11月)

GPT-3.5は、GPT-3の改良版として登場し、より多くのトレーニングデータを使用し、応答速度の向上が図られました。
ChatGPTの初期バージョンに採用され、ユーザーとの対話においてより自然で流暢な応答を提供しました。

1-3. GPT-3.5-turbo(2023年3月)

GPT-3.5-turboは、GPT-3.5から精度と応答速度のさらなる向上が図られたモデルです。
さらに、APIの利用コストが従来モデルと比べて大幅に削減され、開発者にとってより使いやすいモデルとなりました。

1-4. GPT-4(2023年3月)

GPT-4は、GPT-3.5の後継モデルとして登場し、入力トークン数が最大32,768トークンと8倍程度まで増加しました。
GPT-3.5と比較して、応答の一貫性と信頼性が向上し、より創造的なタスクをこなせる性能となりました。

また、テキストと画像の両方を入力として受け取るマルチモーダルモデルとしての機能も備えています。

1-5. GPT-4 Turbo(2023年11月)

GPT-4 Turboは、GPT-4を改良したモデルとして登場し、以下の3点に優れています。

  • 入力トークンが最大128,000トークンと約4倍に
  • 学習データが2023年4月のものまで含まれるように
  • API利用時のコストがインプット・アウトプットトークン共に低くなった

1-6. GPT-4o(2024年5月)

GPT-4oは、GPT-4の進化版として開発され、これまで対応していた画像入力以外にも画像出力や音声入出力といった対応がこのモデルで可能となりました。
また応答速度も向上し、リアルタイムかつ非常に自然な音声での音声応答も可能になりました。

さらにGPT-4 Turboから更にインプット・アウトプットのコストが安くなりました。
現状汎用的に使えるモデルの主力と言えそうです。

1-7. GPT-4o-mini(2024年7月)

GPT-4o-miniは、費用効率の高い小型軽量モデルです。
高速な応答を実現しつつも、APIではGPT-4oのコストの約1/30で利用でき、これはGPT-3.5-turboよりも60%以上安価です。

また、テキスト・画像入力可能なマルチモーダルであり、GPT-3.5-turboと比較しても高い性能を持ちます。
大量に呼び出しが必要だったりする場合に、現状一番適したモデルです。

1-8. o1-preview(2024年9月)

o1-previewは、OpenAIが開発した初の「推論特化型」モデルであり、高度な推論能力を備え、従来のGPTシリーズとは異なるアプローチを採用しました。
特に、数学・科学・プログラミングなどの複雑な問題を解く能力に優れています。
内部で思考チェーン(Chain-of-Thought)を巡らせながら回答を生成することで、従来のGPT-4系モデルを上回る論理的推論力を発揮します。

ただし、その分GPT-4oと比較してもコストが高く、試験的なリリースとして位置付けられていました。

1-9. o1-mini(2024年9月)

o1-miniは、o1-previewの軽量版として開発されたモデルで、O1の推論能力を維持しつつ、計算コストと応答速度を最適化した設計となっています。

1-10. o1(2024年12月)

o1は、o1-previewをベースに改良されたモデルで、性能向上や推論時間の短縮を実現しています。
これまでの有料プランはPlusプラン(月額20ドル)として、この頃にProプラン(月額200ドル)が新たに登場し、Proプランでは無制限に利用ができます。(Plusプランでは制限付きで回数制限あり)

1-11. o1-pro(2024年12月)

o1-proは、o1の強化版として、より高度な問題解決能力を発揮できるモデルです。特に精度を重視する研究・専門家向けのタスクに適しています。Proプランでしか利用できません。

1-12. o3(2024年12月)

o3は、o1シリーズの進化版であり、推論能力が飛躍的に向上したモデルです。数学やプログラミング分野においては人間専門家レベルの精度を達成し、最先端の知識ベースAIとして活用されています。

1-13. o3-mini(2025年1月31日)

o3-miniは、o3の小型軽量版としてリリースされました。
o1-miniの低コストと低レイテンシを維持しながらSTEM分野に特化して高い性能を発揮します。
※ STEM分野: 科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)

推論強度を “高・中・低” で設定でき、中程度で数学・コーディング・科学におけるパフォーマンスはo1に匹敵します。

1-14. O3-mini-high(2025年1月31日)

o3-mini-highは、o3-miniの強化版として提供され、特に正確な推論が求められる場面で利用されます。

2. 推論特化型

推論特化型モデルということで違うアプローチであることから、GPT-Xといったモデル名ではなくo1-previewとなったのだと理解できました。
が、そもそも推論特化型とは?と思ったので調べてみました。

2-1. 推論特化型モデルの特徴

従来の大規模言語モデル(LLM)が主にテキストの生成や対話の自然さを重視していたのに対し、推論特化型モデルはより高度な論理的推論や数学的計算、プログラミングの問題解決に最適化されたモデルです。

  • 思考のチェーン(Chain-of-Thought, CoT)を利用: 回答を生成する際に、単に表層的な応答を出すのではなく、途中の推論過程を内部的に考慮して正確な結論を導く。
  • 数学・科学・プログラミングに強い: 単なる言語生成を超えて、数式の解釈や高度なアルゴリズムの理解が求められるタスクに対応可能。
  • エラー率の低減: 論理的な一貫性を重視するため、GPT系モデルと比べて誤った推論をする頻度が減少。
  • 計算コストの最適化: 高精度な推論を維持しつつ、パフォーマンスを最適化した軽量モデル(例: O1-mini, O3-mini)も展開されている。

これにより、従来の対話型AIでは難しかった数学の証明、アルゴリズム設計、物理シミュレーションなどの分野において、より信頼性の高いAIの活用が可能になりました。

2-2. GPTシリーズとの違い

従来のGPTシリーズは主に以下のような用途に適していました。

  • 文章生成・要約: ニュース記事の生成やレポートの自動作成。
  • クリエイティブなタスク: 物語の執筆やキャッチコピーの作成。
  • カジュアルな会話: ユーザーとの日常的なやり取りや簡単な質問応答。

一方、O1やO3のような推論特化型モデルは、

  • 数学の証明や論理的推論が必要なタスク
  • 高度なプログラムのバグ修正やアルゴリズム最適化
  • 科学分野でのデータ解析や仮説検証

といった領域において優れた性能を発揮します。

3. まとめ

ここまで、OpenAIのChatGPT系モデルと推論特化型モデルについて整理しました。

  • GPT-XXXのモデルは汎用型のLLMとして広く使われている。
  • O1, O3シリーズ等は推論特化型のモデルであり、論理的推論や数学・科学・プログラミングに強みを持つ。

今後も新しいモデルの登場により、AIの活用範囲がさらに広がることが予想されます。
最近のモデルのリリーススピードは驚異的であり、またLLM市場はOpenAI以外の企業も参入しています。今後も積極的に動向をウォッチしていきたいですね。

参考

https://platform.openai.com/docs/models
https://www.theverge.com/news/603849/openai-o3-mini-launch-chatgpt-api-available-now
https://www.wired.com/story/openai-o3-reasoning-model-google-gemini
https://openai.com/ja-JP/index/gpt-4o-mini-advancing-cost-efficient-intelligence
https://openai.com/ja-JP/index/introducing-openai-o1-preview
https://openai.com/index/openai-o3-mini
https://note.com/it_navi/n/nc9e6d154d703

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